タロコ(太魯閣族)

 タロコ(太魯閣族)の人口は、約2万2千人余り。300年から400年前には中央山脈の奇萊山に居住していた。父系社会であり頭目が村落を取りまとめていた。17世紀に人口増加と漢民族入植者の増大による耕地不足により、一部の人々が現在の花蓮県北部の秀林郷と萬栄郷、卓溪郷付近に移動していった。日本統治時代はタイヤルの一系統と分類されたが、2004年1月14日に12番目の原住民族と認められた。男女とも16歳から20歳ごろに顔面を中心にイレズミをおこなった。男性のイレズミは狩猟や敵の首をとったことを示した。女性のイレズミは、大人になったことと織物の技術が優れている証として、美しさを増すものとして入れられた。粟を収穫した7月におこなわれる祖霊祭が、重要な祭礼である。

文責:山本芳美